蝋板に鉄筆で

自由帳

灼熱の卓球娘-4

ざくろのくるりに対する感情の変化は大方検討したところだが、くるりのざくろに対する感情はどうか。管見の限り、この点については既に優れた検討が存在するため、私が敢えて付け加えることはないのだが、要点をまとめておきたい。

 

くるりは自分の卓球に対する姿勢に関して確かにざくろという賛同者を得たわけだけれど、心の何処かで部を崩壊させてしまったことに対するざくろへの負い目があったに相違ない。そうでなければ二年からざくろに部長を任せず、自分が正しいと思うやり方でもう一度後輩を指導したことだろう。

そこでくるりは、ざくろを部長に推挙して、ざくろにもず山を全国へと導かせることを「自己満足」と評し、自身はざくろの為に勝利を献上することへと徹したのである。そこではくるりは自身の存在意義を勝利に求めるより他なかった。

結論だけ言えば、くるりはそのように自分を追い詰める必要が全く無かった。ざくろと過ごした時間の中にこそ彼女の本当の存在意義があったのだから。