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蝋板に鉄筆で

自由帳

君の名は。-2

私は「君の名は。」に関する巷の見解を見ても意図的に全てスルーしているのだけれど、それでも幾つかの見解が記憶に残っているので、これを紹介した上で若干のコメントを加える。

 

1.

以前女子高生か何かの二人組が喫茶店で、「『君の名は。』を見たが、内容を全て忘れた」と述べていた。

本質的な視聴姿勢である。作品の趣旨に合致している。その場でエモーショナルな気分になり、あとは特に言及しない、良い映画なのかそうでもなかったのかよく分からない、そもそも何も覚えていない、まぁいいや。「君の名は。」に一家言ある諸氏が百家争鳴の中、実に潔く、尊敬に値する。

 

2.

友人が次のようなことを言っていた。曰く、「ショートカットの三葉が映る画面がとても快適だった」と。また曰く、「インターネット上で三葉のショートカットに触れる意見をとんと見掛けない」と。

私も三葉は髪を切った後のほうが可愛いと思っているのだが、それは色々な好みの問題としてさて置き、本作に出演する女の子の可愛さに言及する人々の数が極端に少ないのは彼の指摘の通りと思われる。何故だろうか。背景の描き込みと熟慮された主題歌とそれらが相俟って形成された雰囲気に幻惑されてしまうからだろうか。それとも脚本の粗が目立つからだろうか。

私は何度も強調している通り、「君の名は。」のストーリーに観るべき点、評論すべき点は特に無いと考えている。それを前提に視聴して、どれだけ快適な気分になれるかが視聴者の本領を発揮すべきポイントである。その意味で、「ああ、田中将賀御大のショートカット女子が画面いっぱいに映っている、快適だ」という体の視聴姿勢は実に適切であると言わざるをえない。