きみと、波にのれたら

これは中々良い作品だと思ったので、備忘として感想を残しておきたい。


何が優れている作品なのか。恋人の死によって話全体の雰囲気を沈鬱にすることなく、主人公の受容と再生を明るいタッチで描き出すストーリーの構成、脚本の妙であろうと思っている。安心と信頼の吉田玲子先生といったところか。

また、私は、受容できる声優の演技の幅が非常に狭いところ、川栄李奈さんの声の演技が相当優れていると感じた。元国民的アイドルグループのメンバーだったそうだが、中々どうして、耳に快い演技であった。もっとも、キーとなる雛罌粟港役の演技については、そこそこという程度の感想しか抱いていないけれど。


この作品は、何の要素が優れているのか。

一つには、作中のあるシンプルなギミックが実にさりげなく、納得のいく形で織り込まれており、主人公が再生し、一回り成長した理由を違和感なく理解しうるところにあると思う。

また、所謂イケメンキャラに不快さというか嫌味というか、そうした要素がないという点も、それを実現することが必ずしも容易ではないと思われるところから、本作品の優れた点として挙げうるように思う。


以上を備忘として残し、更に思い出すことがあれば追記する。