ハンドシェイカー
先日ハンドシェイカーを全話観たので、備忘の為に感想を記しておく。
私がアニメでもっとも重視する要素は、技量の高い声優が主要なキャラクターを演じているか否かという点に尽きているのだが、そのような意味において、本作の、とりわけ女性キャラクターの演技は耳に快かった。
もっとも、諸星すみれさん演じるこよりが喋るシーンが、記憶と言葉を失ったという設定上どうにも少なかったことは、本作の誠に惜しむべき点である。
以上述べたとおり、本作には快適さを感じさせる要素が確かにある。しかしながら、それら快適さを相当に打ち消す程度には、設定の随所に違和感を覚える。
とりわけ、1組のハンドシェイカーが生まれるための要件が緩やかに過ぎはしないかという疑問がどうにも拭えない。
感情的な繋がりがハンドシェイカーをハンドシェイカーたらしめるというのは、いささか絞りが甘過ぎはしないか。
もっとも、それを踏まえた上でより強い感情的、運命的な結びつきがあり、かつ強い願いを有するハンドシェイカーが、より強力なハンドシェイカーになるという設定(だと、私は理解しているが…)は、それが設定として十分詰められているかは別として、無矛盾ではあるように思うけれど。
このように設定自体に曖昧さがあるという点につき、意識を向けさせられてしまったことが、本視聴体験における反省すべき点とも言えるかもしれない。設定のガバガバさはおそらく本質ではないから。